単発プレス加工で金型コスト削減を実現!順送プレス加工との違いや特徴を徹底解説
単発プレス加工は、1回の加工ごとに特化した金型を使用して部品を製造する方法です。試作品の製作や小ロット生産に向いており、金型の製作コストが安価である点が魅力です。一方、順送プレス加工は一度に複数の加工を行うことができ、自動化による高い生産性が特徴です。このように、単発プレス加工と順送プレス加工にはそれぞれの特性とメリットがあります。
こちらでは、これらの加工方法の違いや適した製品について詳しく解説しますので、製造業に携わる方や加工方法を検討中の方はぜひ参考にしてください。
単発プレス加工とは?順送プレス加工との違い
単発プレス加工とは
単発プレス加工とは、1回の加工に特化した単発加工用の金型を使って部品を製造する方法です。単発金型は比較的少量の製品を加工する際に用いられます。
単発プレス加工では、一つの工程ごとに金型を取り替えて再び加工を行う必要があるため、手間がかかります。そのため、製品の形状などにより工程数が増える複雑な形状の製品の加工には向いていません。
一方、単発金型の大きな利点は製作コストが安価であることです。また、工程ごとに部品を取り外せるため、金型の柔軟性や製品のカスタマイズ性が容易です。
単発プレス加工と順送プレス加工の違い
プレス加工の手法には、大きく分けて「単発型」と「順送プレス」の2種類があります。単発プレス加工と順送プレス加工の具体的な違いについて解説します。
金型
単発型金型は、一つの金型で1工程のみを行うシンプルな金型です。せん断、打ち抜き、穴あけ、曲げなどの単一の加工工程にのみ使用されます。
一方、順送プレス金型は、一つの金型で複数の加工工程を行うことができる複雑な形状の金型です。例えば曲げ加工と穴あけなど、2つ以上の工程を一度のプレスで完了させることができます。
このように、順送プレス金型は複数工程を同時に行えるため、単発型金型に比べて形状が複雑になります。その分、製作コストも高くなる傾向にあります。
加工速度
単発プレス加工と順送プレス加工では、加工スピードに大きな違いがあります。
単発プレス加工は、複数工程に分けられるため、それぞれの工程で作業者が付く必要があり、金型の交換も必要となります。そのため、生産性が低下する傾向にあります。
一方、順送プレス加工は、連続して自動化された工程で加工が行えます。金型交換の必要がなく、大量の製品を効率的に生産できるため、生産性が非常に高くなります。
つまり、単発プレス加工は作業者1人当たりの生産個数が少なく、金型交換の手間がかかりますが、順送プレス加工は自動化されているため、高速で大量生産が可能となるのです。
生産性
単発プレス加工は、金型を1つずつ交換して製品を作る方式のため、製品の切り替え時間が長くなる傾向にあります。一方、順送プレス加工は2つ以上の工程を連続して行えるため、大量生産に適しています。しかし、単発プレス加工と順送プレス加工の生産性を一概に比較することはできません。なぜなら、製品の形状や生産ロットによって適した加工方式が異なるためです。
例えば、大きな製品を少量生産する場合は、単発プレス加工のほうが適しています。一方で、小さな製品を大量生産する場合は、順送プレス加工を選択するのが賢明です。
このように製品特性に合わせて、単発プレス加工と順送プレス加工のメリット・デメリットを見極めることが重要です。
単発プレスに向いているもの・向いていないものは?単純形状や少量生産に最適!
単発プレスに向いているもの
単発プレスは、以下の場合に適しています。
大きいサイズの製品
単発プレス加工は、大きなサイズの製品製作に適しています。単発プレスでは、一つひとつの製品を手作業で加工するため、製品サイズの制限が少ないのが特徴です。
一方、順送プレス加工は、材料に製品がつながった状態で連続的に加工を行うため、大きなサイズの製品には向きません。単発プレスなら、金型サイズさえ対応できれば製品の大きさを問わず、高精度な加工が可能になります。
単純形状の製品
単発プレス加工は、単純な形状の製品製造にも適しています。単純形状の製品であれば加工工程が少なくて済むため、金型コストが安い単発プレス加工が適切です。また、単純形状であれば加工精度も十分に確保できます。
単純な形状でサイズが大きめの製品なら、コストパフォーマンスに優れた単発プレス加工が最適な選択肢となります。短納期での製造にも対応可能です。
1万個以下の少量生産
単発プレスは設備や金型の初期費用を抑えられる反面、大量生産には人手が必要となりコスト高となります。1万個未満の少量の製品なら、単発プレスがコストメリットを発揮します。試作品の製作や小ロット生産向きの加工法といえます。
単発プレスに向いていないもの
小さいサイズ
単発プレス加工は、一般に大きいサイズの製品向けが主流です。小さいサイズの製品を大量に生産する場合は、順送プレス加工のほうが適しています。
順送プレスは、複雑な形状の小さな部品を短時間で大量生産できるのが特徴です。一方で単発プレスは、一つひとつの工程を手作業で行うため、小さな部品を大量に生産するには向いていません。製品のサイズや生産量に応じて、プレスの種類を使い分けることが賢明です。
複雑な形状
製品の形状が複雑になると、単発プレスでは一つの金型で完成品を成形することが難しくなります。複雑な形状では、複数の金型を使って段階的に成形する必要があり、工程数が増えます。そのため、単発プレスではなく順送プレスやトランスファープレスのほうが適しています。
順送プレスやトランスファープレスは、複数の工程を自動化して連続的に行うことができます。このため複雑な形状の製品でも、高い生産スピードと精度を両立させることが可能です。金型の交換や製品の移動が自動化されているため、手作業に頼る単発プレスよりも効率的な大量生産が実現できるのです。
1万個以上の大量生産
単発プレス加工は、大量生産には不向きな方式です。人手を多く要することから、長時間の連続稼働が困難であり、コスト面でも機械化された大量生産方式に劣ります。
そのため、数万個以上の製品を生産する場合は、一般的に完全自動化された機械加工による大量生産が採用されます。
順送プレスやトランスファープレスなどの方式では、人手を介さずに金型交換や製品の移動が自動化されています。長時間の連続稼働が可能なため、大量生産に適した生産方式となっているのです。
コストパフォーマンスと生産性の観点から、大量生産には機械化された加工方式を選択するのが賢明です。単発プレスは、試作品の製作や少量生産向けの加工方式として活用されることが多くなります。
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