現品票をすべてデジタルに――QRコードで工程を見える化
京都で線材加工・金属プレス加工を手がける有限会社上田製作所では、AI(Claude)と対話しながら、社内のデジタル化を少しずつ進めています。特別なシステムを一括導入したのではなく、現場で困っていたことをひとつずつ、目に見える道具に置き換えてきました。
今回は、その中でも一番わかりやすい変化として、現品票のペーパーレス化を紹介します。
こちらでは、線材加工・金属プレス加工を専門とする有限会社上田製作所が、AIを使って進めてきた現品票のデジタル化についてご紹介します。
紙の現品票と、頭の中の管理
これまで、どのロットがいまどの工程にあるかは、現場に貼った紙の現品票と、担当者の記憶でほぼ管理されていました。切断して、バレル処理して、測長して、梱包して――その流れを手書きで追い、あとからExcelに転記していました。
転記のたびに、ロットNoの書き写し間違いが起きるリスクもありました。
現品票を、QRコード1枚に
これを、QRコード1つで完結する現品票に置き換えました。ロットNo・材料No・個数といった情報はQRに集約され、紙に手書きする項目は最小限になっています。

スキャンした瞬間に、工程履歴が残る
QRコードは、工程が終わるたびにスマホで読み取ります。切断、バレル、熱処理、仕上げ、梱包、出荷――スキャンするだけで、どの工程をいつ対応したかが自動で記録されます。
あとから「このロットは今どこまで進んでいる?」と聞かれても、履歴を開けばすぐにわかります。

現場のどのスマホからも、同じ画面が見える
工程ごとにQRを読み取る画面が用意されていて、進捗一覧や履歴照会、納品書・現品票の印刷もこの画面からできます。特別な端末は使わず、現場のスマホからそのままアクセスできる仕組みです。

この変更で得られた4つの効果
紙とExcelの二重管理をやめたことで、次の4つの効果がありました。
- ロット番号の重複がなくなる:番号はシステムが自動発行するため、手作業による重複や振り間違いが起こりません
- 転記ミスがなくなる:現品票の情報がそのまま納品書・検査成績書に引き継がれるため、手書きで写す作業自体がなくなります
- 必要な情報にすぐたどり着ける:紙の保管・現物探しに代わり、電子データから該当ロットを即座に特定できます。データはシステムと自社クラウド(OneDrive)の2箇所に保存しています
- 進み具合がリアルタイムでわかる:各工程の状況をその場で把握できるため、納期回答が早くなり、遅れも防ぎやすくなります

現場に合わせて、必要な分だけ
立派なシステムを買って現場を合わせるのではなく、現場に合わせて必要な道具を少しずつ育てる。これが、私たちのような小さな町工場に合ったデジタル化の進め方だと感じています。
検査成績書の読み取りなど、他の取り組みについては別のコラムでも紹介しています。
