単発プレス加工は量産立ち上げの試作や小ロット・短納期の製品づくりに活用できる!
単発プレス加工は、工程ごとに単独でプレス加工を行う手法で、少量生産や大型の加工品に適しています。この加工方法は金型コストを抑えられるため、試作品の製作や短納期での対応が求められる場面で非常に有効です。
例えば、自動車部品の試作や家電製品の量産立ち上げ、医療機器の少量生産など、幅広い分野で活用されています。また、試作段階から量産移行時の設計検討が容易で、効率的な製品開発と低コストの量産を両立することができます。
こちらでは、単発プレス加工のポイントを詳しく解説し、その利点や具体的な事例を紹介します。これにより、単発プレス加工の理解を深め、製品開発における最適な加工方法を選択するための参考になるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
単発プレスは小ロット・短納期の製品づくりや量産移行時の設計検討に最適
単発プレスとは
単発プレスとは、工程ごとに単独でプレス加工を行う手法です。この方法は最もオーソドックスな加工法として知られており、基本的には人の手で作業が行われます。
型をセットした後にプレス加工を1回で行うため、基本的には1工程での動作となります。そのため、連続加工や自動加工はできません。したがって、順送プレスやトランスファープレスと比較すると生産性は低くなります。
小ロット・短納期の製品づくりに適した加工方法
単発プレス加工は、小ロット生産や大型の加工品に適した加工方法です。プレス機の価格が安価で、金型にかかるコストも抑えられるため、試作品や少量生産に向いています。
基本的には1工程での動作となるので、自動化は難しいものの、少量生産や大型品の単工程加工には有利です。
試作品や少量の製品を加工する際には、単発プレス加工を採用することで、工程ごとに部品を取り出して確認することができます。これにより、製品形状や寸法の柔軟な調整や金型のカスタマイズが容易になります。
加工事例
- 打抜き
- 穴あけ
- 曲げ加工
- バーリング
- 絞り加工
このように様々な加工が可能で、自動車部品や家電製品、医療機器など幅広い分野で活用されています。
低コストで試作品や少量生産が可能
単発プレス加工は、少量・短納期の製品づくりに最適な加工方法です。試作品1個からでも対応可能で、従来の量産向け金型に比べコストを大幅に抑えられます。
例えば、自動車部品の試作品製作では、仮設金型や精密板金設備を活用することで、迅速かつ低コストでの対応が可能となります。また、量産移行後は金型の精度を上げた量産金型へ切り替えることで、試作から量産までをスムーズに進められます。
さらに、量産立ち上げ時の小ロット生産にも単発プレス加工は活躍します。大ロット量産用金型と比べると低コストで済み、製品の精度や外観を劣らせることなく、柔軟な対応が可能です。
量産移行時の設計検討が容易
単発プレス加工の利点として、量産移行時の設計検討が容易であることが挙げられます。
試作段階から量産を見据えて製品の仕様や使用条件に合わせた適正な設計がなされているため、量産移行の際に大幅な設計変更が必要となるリスクが低くなります。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 量産時の加工効率や品質、コストを事前に検証できる
- 使用環境に合わせてオーバースペックやスペック不足にならないよう調整できる
- 試作段階で発生した問題点を量産設計に反映できる
このように単発プレス加工では、試作から量産への円滑な移行が可能です。効率的な製品開発と低コストの量産を両立することができるのです。
プレス加工における試作の種類:原理試作と量産試作
単発プレス加工で試作を行う場合、知っておきたいのが試作の種類です。試作には、主に以下の2種類があります。
原理試作
原理試作とは、製品の機能や形状を確認することを目的とした試作です。機能や形状さえ確認できればよいため、必要数量は少なく、数十個から100個程度で十分な場合が多いです。
原理試作では、以下のような特徴があります。
- 抜き加工にレーザー加工やエッチング、3Dプリンターなどの金型レス加工を用いる
- 曲げ加工が必要な場合は、順送プレス金型よりも価格を抑えた単発プレス金型を使用する
- 初期費用を抑え、小ロット・短納期での製作が可能
このように、原理試作は機能や形状の確認に主眼を置いており、繰り返し確認しやすい短納期での製作が重視されます。一方で多数の製造には向きません。
量産試作
量産試作では、量産加工を前提とした品質確認のため数量が必要とされます。薄板プレス加工の場合、1万個から最大で300万個程度の試作個数が求められます。この数量での安定した品質の継続精度を確認するため、以下のようなテストが行われます。
- バネ圧やメッキテストなど製品の信頼性評価
- 自動機での製造や搬送のテスト
- 量産を見据えた様々な評価
量産試作では、薄板プレス部品の抜き加工から曲げ加工まで全て試作順送プレス金型を使用します。金型製作費が高く納期も長くなりますが、量産と同等精度で多数の試作品を製造できるのが特徴です。
単発プレス加工の活用事例
単発プレス加工は様々な製品の製造に活用されています。
自動車部品の試作
自動車部品の試作では、単発プレス加工が活用できます。単発プレス加工は、金型の製作期間が短く、少量から対応が可能です。そのため、新製品開発の試作段階や部品の設計変更時に、素早く試作品を製作することができます。
特に自動車業界では、次の点から単発プレス加工の需要が高まっています。
- 燃費向上や安全性向上のため、新部品の開発サイクルが短くなっている
- 製品ライフサイクルが短期化し、設計変更の頻度が増えている
単発プレス加工を活用することで、短納期で試作品を製作し、設計の確認や検証を効率的に行えます。さらに最終的な量産移行の際にも、単発プレス加工で使用した金型を流用できるため、スムーズな立ち上げが期待できます。
家電製品の量産立ち上げ
家電製品の量産立ち上げ時にも単発プレス加工が活用できます。量産に移行する前の小ロット生産フェーズでは、製品設計の最終確認を行いながら、試作品の評価や品質チェックが欠かせません。このプロセスで単発プレス加工を利用することで、以下のようなメリットがあります。
- 短納期で製品サンプルを作成可能
- 量産移行時の設計変更リスクを低減
- コストを抑えた少量生産が可能
医療機器の少量生産
医療機器の年間生産数が少ない場合は、単発プレス加工を活用することにより低コストで部品を調達できます。
単発プレス加工は以下のような用途に適しています。
- 検証用の実験機器や部品の製作
- 新製品のデモ品製作
- 展示会向けの製品模型製作
単発プレス加工なら、少量でも低コストで医療機器の部品を製作することができるのです。
単発プレス加工は有限会社上田製作所へ!小ロットから量産まで柔軟に対応
有限会社上田製作所は、創業から50年以上の豊富な経験を活かしてプレス加工を行っています。月間700万個以上の高品質な製品を大量生産できる高精度・高速量産技術を有し、厳密な品質管理体制を整えています。また、プレス加工品の試作や小規模生産にも柔軟に対応可能です。
単発プレス加工に関するご依頼やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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単発プレス加工なら量産も可能な有限会社上田製作所
会社名 | 有限会社上田製作所 |
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代表者 | 代表取締役 上田 洋 |
住所 | 〒610-1131 京都府京都市西京区大原野上羽町8−1 |
TEL | 075-331-3100 |
営業時間 | 9:00-17:00 |
定休日 | 土日祝 |
設立 | 1969年 |
主な業務内容 | 自動車部品の製造および線材加工 |
URL | https://ueda-works.com/ |